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「大人のピアノの楽しみ方」

2022/5/7
(記:C.K.)

子供の頃12年間習っていたピアノを30数年振りに再開しました。もう一度弾くようになるとは思ってもいなかったのに、定期的にレッスンを受けサークルにまで参加している…人生何が起こるか分からないとつくづく思う今日この頃です。 楽しかったはずのピアノは、中学高校と年齢が上がるにつれて楽しくなくなり、練習するのがだんだん嫌になっていました。元々コツコツ努力するのは苦手なタイプだったので、先生に与えられた課題をひたすら練習することがつまらなくなり、また手の小さい私には弾きこなすのが難しい曲が沢山あるということに気づき、先が見えてしまったのもやる気を無くした原因のひとつです。 大人になった今、ピアノとの関わりはずっと自由になりました。 本当に弾きたいと思う曲を自分で見つける、自分の手の大きさや個性に合った曲を選ぶ、そんなふうにしていると弾くモチベーションが保てるようになりました。 実際に弾くには色々決まり事もあり、ある程度基礎は必要だと思いますが、基本的に音楽は自由だし、こうでなければみたいな固定観念から離れたら弾くことが楽しくなったのです。 ピアノを再開してから、作曲家に関わる本を読んで色々調べる事も多くなりました。 ドビュッシーはジャポニズムに大変影響を受けていて、自宅には浮世絵を飾っていたそうです。交響詩ラ・メールの表紙は葛飾北斎の「神奈川沖波裏」だし、日本への憧れが強かったのだなあと思うと親近感が湧きます。 今私はフランスの作品を弾くことが多いのですが、その影響でフランス語を勉強し始めました。大学時代に第二外国語で習った時には嫌でたまらなかったのに!!です笑 ピアノを通じて興味の幅が広がったのは、意外だけど嬉しい変化でした。 以前友人の娘さんの発表会を見に行った時、年配の男性が演奏するのを聴きました。ピアノ歴が浅いらしく簡単な曲でしたが、一音一音に心が込められていて、この方はずっとピアノを弾きたいと思ってきたのだろうと感じました。歳を重ねた人の演奏は、その人の人格や人生経験がにじみ出るように感じます。 先日ふとピアノの何が好きなのだろうと考えたのですが、私は弾くという行為よりむしろ ピアノから出る音を聴くことが好きなのだと気付きました。 子供の頃は鍵盤を押さえることだけに集中していたけれど、今は自分が鳴らした音を聴きながら弾くようになり、そこが大きく変わったところです。こんな風にたたけばこんな音が鳴るんだ、とか色々発見があり、ピアノってほんに奥深いなあと感じます。 ピアノサークルで活動するようになって、世の中にはピアノを弾く人がなんと多いことか! と感じます。弾くジャンルやスタイルは違ってもピアノを弾けるっていいなあとしみじみ思うし、仲間がいることは続けていくモチベーションにもなります。 私にとってピアノは、この先の人生を彩ってくれる大切なパートナーです!